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「自ら課題と向き合っていく」コース!~SDGsの観点で、自分の幸せに周りの人・モノの幸せをプラスする学びを生徒へ~

東京立正中学校高等学校 SDGs探究リーダー 原子桂輔

教員歴7年目

本校イノベーションコース1期生の担任であり、NGO法人の方とともにSDGsを意識した課題解決型学習(PBL)を学校教育に取り入れる。ESD(持続可能な開発のための教育)についてもESDユースとして第5回・6回 ESD日本ユース・コンファレンスに参加。生徒とともに「世の中の課題を自分事として」受け止めながら活動中。

 

中高一貫イノベーションコースとしての取り組み

東京立正中学校高等学校は2015年1月22日にユネスコスクール加盟校に承認されました。

在学中の6年間の中で自ら課題と向き合っていく生徒を育成します。

基本的には生徒の自主性を重んじ、SDGsのゴールのどれについて調べるか等は生徒が調べていく中で気になったものを活かして課題選択させています。 

中学校での学び

中学生は「クロスカリキュラム」という名で、理科・社会科・技術家庭科・食育を統合的に学び、畑づくりから野菜の流通ルートを調査したり、収穫からの調理をしたりと食物の一連の流れを学びます。

また、カナダ語学研修も高校3年時にあり、実用的な英語を習得するため、オンライン英会話等の授業もあります。これにより、海外の方とのコミュニケーションスキルを身につけることが目的です。 

高校での学び

高校生になると、2年次にあるカンボジア課題解決型研修に向けて、SDGsについての学習が本格的にスタートします。

1年次はSDGsの観点から国内の課題を調査し、自分たちで好きなテーマを調べ、日本について身近な課題や国全体の課題について調査し、解決するための方法を模索していきます。

2年次になるとカンボジアのトゥールトンポン高校の生徒とオンラインミーティングを行い、それぞれの国の課題について発表し合ったり、解決に向けてお互いの国の課題を話し合ったりします。

カンボジア研修で実際にカンボジアを訪れ、感じた発展途上国の課題について日本と比較しながら「私たちに何ができるか」を考えていきます。

私はSDGsとこうして出会った~コースデザイン奮闘記①~

私は前校長先生からイノベーションコースの担任を任された際に、「正直、課題解決やSDGsについてほとんど知らない状態だから、生徒と一緒に勉強しながらこのコースをみんなで作っていこう!」と決め、そこから試行錯誤の日々が始まりました!

視野を広げるのはいつでもたくさんの人との出会い~コースデザイン奮闘記②~

SDGsについての様々なセミナーやコンファレンスに参加していくうちに気づいたのは、いつの間にか私自身が以前に比べ積極的に「もっとSDGsの事例を知りたい!生徒とSDGsについて学びたい!」という前向きな気持ちでいっぱいになっていることでした。

一番魅力的だったのはSDGsやESDの実践者とのたくさんの出会いです。

人との繋がりについては、私は教員という職業柄、どのような研修に参加しても知り合うのは教員ばかり…(それが悪いわけではありませんが)それが、いきなりSDGsやESDの研修に参加するだけで本当に多様な職業で多様なプラットフォームを持っている方々との出会いがあり、まずは私自身の視野が今までと比べ物にならないくらいに広がりました!

実体験→生徒へバトンパス!~コースデザイン奮闘記③~

そして、自分にもできることを考えたときに「そうだ、この経験を10代の生徒たちにも経験してほしい!そうすればみんなの視野が広がり、行動に意義を持てるかもしれない」という結論にたどり着きました。

ここからはホームルームを使っての、ともに学ぶ時間の連続でした。

コースデザインというタイトルですが、ゴールを決めて取り組むのではなく、あくまでも生徒の発想から計画を変更することも多々あり、それが結果として「自分事として考える」ことにつながったのではないかと考えています!

生徒の変化と私が大切にしていること~コースデザイン奮闘記④~

イノベーションコースとしてSDGsについて学んでいくうえで感じた生徒の明らかな変化は、進路や今後の生活を考えるうえで自分の将来が豊かなものになるためという視点だけでなく、「誰かのために」という考えを帯びるようになったことでした。

元々管理栄養士になりたいという夢があり、フードロス等を調べていくうちに、「食」の課題について興味が湧いてきた生徒もいれば、国際系の分野に興味があった生徒が、カンボジアで接した子供たちに影響を受け、海外の子供たちを笑顔にしたいという気持ちから、日本語教師を目指したいと考えるようになったということもありました。

「自分の幸せに周りの人・モノの幸せをプラスする学び」というのがイノベーションコースでの学びで特に大切にしたいテーマです!